Tkinterで活用されるscaleとは?コードを通して徹底解説!?
今回はTkinterで活用されるscaleに関して徹底解説いたします。Tkinterの使い方がわからない、scaleに関して詳しくなりたい方へおすすめです。是非最後までご確認ください。
執筆者 - おすすめの記事3選
そもそもTkinterで使われるscaleとは?
Tkinterで使われるscaleとは、Widgetの一種で、ファイルのダウンロード状況やタスクの進捗などを視覚化するものを意味します。
別名scale Widget, プログレスバーと呼ばれます。
少し言葉だけでは分かりづらいですね。。以下の「Tkinterの構成要素」を確認しながら、情報を整理しましょう。
Tkinterの構成要素
Tkinterの構成要素として、Window, Frame, Widgetの概念が存在します。
名称 | 説明文 |
---|---|
Window | 画像の青色枠の部分になります。Tkinter画面全体を表します。 |
Frame | 画像内の緑色枠部分になります。Widgetが1つ以上ある場合に、取りまとめるものです。 |
Widget | 紫色枠で囲まれる部分になります。1つの機能を持つ最小単位 = Widgetと考えると良いでしょう。 |
前の章でTkinterで活用されるscaleとは、Widgetの一種で、ファイルのダウンロード状況やタスクの進捗などを視覚化したものとお伝えしました。
「Tkinterの構成要素」の画像内では、紫色枠に該当するWidgetに対して、編集することになります。
Tkinterの構成要素を理解したところで、実際にscaleの活用方法を理解していきましょう。
下準備
今回は先ほど紹介した「Tkinterの構成要素」の画像を元に、scaleの使い方をお伝えします。
下にコードを貼り付けておきますので、画像と見比べながら、コードを確認してみてください。できれば、一緒にscaleを体験しましょう。
1import tkinter as tk
2
3class Application(tk.Frame):
4 # scaleに関する情報を格納する変数
5 scale = None
6
7 def __init__(self, master=None):
8 # Windowの初期設定を行う。
9 super().__init__(master)
10
11 # Windowの画面サイズを設定する。
12 # geometryについて : https://kuroro.blog/python/rozH3S2CYE0a0nB3s2QL/
13 self.master.geometry("300x200")
14
15 # Windowを親要素として、frame Widget(Frame)を作成する。
16 # Frameについて : https://kuroro.blog/python/P20XOidA5nh583fYRvxf/
17 frame = tk.Frame(self.master)
18
19 # Windowを親要素とした場合に、frame Widget(Frame)をどのように配置するのか?
20 # packについて : https://kuroro.blog/python/UuvLfIBIEaw98BzBZ3FJ/
21 frame.pack()
22
23 # frame Widget(Frame)を親要素として、scale Widgetを作成する。
24 self.scale = tk.Scale(frame)
25
26 # frame Widget(Frame)を親要素とした場合に、scale Widgetをどのように配置するのか?
27 # packについて : https://kuroro.blog/python/UuvLfIBIEaw98BzBZ3FJ/
28 self.scale.pack()
29
30 # hello worldを出力する関数
31 def helloWorld(self, value):
32 print('hello world')
33
34# Tkinter初学者参考 : https://docs.python.org/ja/3/library/tkinter.html#a-simple-hello-world-program
35if __name__ == "__main__":
36 # Windowを生成する。
37 # Windowについて : https://kuroro.blog/python/116yLvTkzH2AUJj8FHLx/
38 root = tk.Tk()
39 app = Application(master=root)
40 # Windowをループさせて、継続的にWindow表示させる。
41 # mainloopについて : https://kuroro.blog/python/DmJdUb50oAhmBteRa4fi/
42 app.mainloop()
上記のコードをPython環境で実行すると、「Tkinterの構成要素」で紹介した画像の結果が表示されます。
Tkinterで活用されるscale Widgetの定義
scale Widgetは、
1tk.Scale(option1, option2, ...) or tk.Scale('親要素', option1, option2, ...)
で定義されます。
scale Widgetで使われるoptionの種類としては
- borderwidth, bd
- background, bg
- fg, foreground
- font
- cursor
- command
- width
- length
- relief
- from_
- to
- highlightcolor, highlightbackground, highlightthickness
- activebackground
- sliderrelief
- state
- showvalue
- label
- sliderlength
- resolution
- troughcolor
- tickinterval
- orient
があります。順番に見ていきましょう。
※ optionの種類一覧を調べたい場合は、以下のようにコードを記述してご確認ください。
1import tkinter as tk
2
3# scaleを生成する。
4scale = tk.Scale()
5# scaleに関するoptionの種類一覧を取得する。
6print(scale.keys())
borderwidth, bd
borderwidth option, bd optionを利用すると、scale Widgetの枠の大きさを設定します。
borderwidthとbd両方のoptionを用いて、値を設定した場合、後ろの引数に設定されるoptionが優先されます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(borderwidth=30) or self.scale.configure(borderwidth=30)
4##################################
5self.scale = tk.Scale(frame, borderwidth=30)
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
background, bg
background option, bg optionを利用すると、scale Widgetの背景色を設定します。
backgroundとbg両方のoptionを用いて、値を設定した場合、後ろの引数に設定されるoptionが優先されます。
色に関しては、Tkinterの色の使い方とは?活用例から色の一覧をまとめて紹介!?で総括していますので、詳しく知りたい方は是非ご確認ください。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(background='green') or self.scale.configure(background='green')
4##################################
5# 色について : https://kuroro.blog/python/YcZ6Yh4PswqUzaQXwnG2/
6self.scale = tk.Scale(frame, background='green')
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
fg, foreground
fg option, foreground optionを利用すると、文字列色を変更できます。
fgとforeground両方のoptionを用いて、値を設定した場合、後ろの引数に設定されるoptionが優先されます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(foreground='red') or self.scale.configure(foreground='red')
4##################################
5# 色について : https://kuroro.blog/python/YcZ6Yh4PswqUzaQXwnG2/
6self.scale = tk.Scale(frame, foreground='red')
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
font
font optionを利用すると、文字の形式や大きさを変更できます。
fontに関しては、Tkinterで使われるフォントって?2種類のフォントの設定方法を丁寧に解説でまとめておりますので、詳しく知りたい方は是非ご確認ください。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(font=("", 20, "underline")) or self.scale.configure(font=("", 20, "underline"))
4##################################
5# fontについて : https://kuroro.blog/python/RZNjLl36upkumxwkTRWl/
6self.scale = tk.Scale(frame, font=("", 20, "underline"))
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
cursor
cursor optionを利用すると、scale Widget内へマウスカーソルを移動すると矢印の見た目を変化できます。
見た目のバリエーションについてはこちらのサイトにまとまっていますので、ご確認ください。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更して、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(cursor="clock") or self.scale.configure(cursor="clock")
4##################################
5self.scale = tk.Scale(frame, cursor="clock")
scale Widget内へマウスカーソルを移動すると、矢印の見た目が変更します。
command
command optionを利用すると、つまみを動かした際に実行する関数を設定できます。
具体的につまみを画像を通して説明すると、
青色で囲まれる箇所をつまみと呼びます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更して、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(command=self.helloWorld) or self.scale.configure(command=self.helloWorld)
4##################################
5self.scale = tk.Scale(frame, command=self.helloWorld)
つまみを動かすと、以下の画像のようにself.helloWorld関数が実行されて'hello world'が表示されます。
width
width optionを利用すると、scale Widgetの幅を設定できます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(width=50) or self.scale.configure(width=50)
4##################################
5# width : scale Widgetの幅を設定。デフォルトは15。
6self.scale = tk.Scale(frame, width=50)
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
length
length optionを利用すると、scale Widgetの高さを設定できます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(length=50) or self.scale.configure(length=50)
4##################################
5# length : scale Widgetの高さを設定。デフォルトは100。
6self.scale = tk.Scale(frame, length=50)
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
relief
relief optionを利用すると、scale Widgetの枠のデザインを設定できます。
指定方法としては、
- tk.RAISED
- tk.SUNKEN
- tk.FLAT
- tk.RIDGE
- tk.GROOVE
- tk.SOLID
の6種類があります。
例えば下準備コードを以下のように変更すると、
1def __init__(self, master=None):
2 ...
3 frame.pack()
4+ reliefList = [tk.RAISED, tk.SUNKEN, tk.FLAT, tk.RIDGE, tk.GROOVE, tk.SOLID]
5+ for relief in reliefList:
6- self.scale = tk.Scale(frame)
7+ self.scale = tk.Scale(frame, length=50, relief=relief, bd=10)
8- self.scale.pack()
9+ self.scale.pack()
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
from_
from_ opitonを利用すると、scale Widgetの値に下限を設けます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# from_ : scale Widgetの値に下限を設ける。デフォルトは0。fromはPythonの予約語なので、fromの後に_(アンダーバー)を付加する
2# 予約語とは? : https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%88%E7%B4%84%E8%AA%9E#:~:text=%E4%BA%88%E7%B4%84%E8%AA%9E%EF%BC%88%E3%82%88%E3%82%84%E3%81%8F%E3%81%94,%E3%80%81%E5%AD%97%E5%8F%A5%E3%81%AA%E3%81%A9%EF%BC%89%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%80%82
3self.scale = tk.Scale(frame, from_=20)
以下の画像のように'20'より小さい値を選択できなくなります。
to
to opitonを利用すると、scale Widgetの値に上限を設けます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(to=50) or self.scale.configure(to=50)
4##################################
5# to : scale Widgetの値に上限を設ける。デフォルトは100。
6self.scale = tk.Scale(frame, to=50)
以下の画像のように'50'より大きい値を選択できなくなります。
highlightcolor, highlightbackground, highlightthickness
highlightcolor option, highlightbackground option, highlightthickness optionを利用すると、それぞれscaleへフォーカスがあてられた時の囲い線の色, scaleへフォーカスが外れた時の囲い線の色, 囲い線の太さを設定します。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(highlightbackground='red', highlightthickness=20) or self.scale.configure(highlightbackground='red', highlightthickness=20)
4##################################
5# 色について : https://kuroro.blog/python/YcZ6Yh4PswqUzaQXwnG2/
6self.scale = tk.Scale(frame, highlightbackground='red', highlightthickness=20)
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
また下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 色について : https://kuroro.blog/python/YcZ6Yh4PswqUzaQXwnG2/
2self.scale = tk.Scale(frame, highlightcolor='green', highlightthickness=20)
3# scale Widgetへfocusを与える。
4self.scale.focus()
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
activebackground
activebackground optionを利用すると、つまみの上へマウスカーソルを移動した場合に、つまみの背景色を変更できます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(activebackground='red') or self.scale.configure(activebackground='red')
4##################################
5# 色について : https://kuroro.blog/python/YcZ6Yh4PswqUzaQXwnG2/
6self.scale = tk.Scale(frame, activebackground='red')
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
sliderrelief
sliderrelief optionを利用すると、つまみのデザインを設定できます。
指定方法としては、
- tk.RAISED
- tk.SUNKEN
- tk.FLAT
- tk.RIDGE
- tk.GROOVE
- tk.SOLID
の6種類があります。
例えば下準備コードを以下のように変更すると、
1def __init__(self, master=None):
2 ...
3 frame.pack()
4+ reliefList = [tk.RAISED, tk.SUNKEN, tk.FLAT, tk.RIDGE, tk.GROOVE, tk.SOLID]
5+ for relief in reliefList:
6- self.scale = tk.Scale(frame)
7+ self.scale = tk.Scale(frame, length=50, sliderrelief=relief, bd=10)
8- self.scale.pack()
9+ self.scale.pack()
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
state
state optionを利用すると、scale Widgetの状態を設定できます。
指定できる値としては、
- normal, active : つまみを動かせて、scale Widgetの値を更新可能
- disabled : つまみを動かせない
があります。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(state='disabled') or self.scale.configure(state='disabled')
4##################################
5self.scale = tk.Scale(frame, state='disabled')
以下の画像のようにscale Widgetのつまみを動かせなくなります。
showvalue
showvalue optionを利用すると、scale Widgetの現在の値を表示すべきか設定できます。
True(デフォルト)の場合、scale Widgetの現在の値を表示する、Falseの場合、scale Widgetの現在の値を表示しません。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(showvalue=False) or self.scale.configure(showvalue=False)
4##################################
5self.scale = tk.Scale(frame, showvalue=False)
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
label
label optionを利用すると、scale Widgetへtitleを設定できます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(label='title') or self.scale.configure(label='title')
4##################################
5self.scale = tk.Scale(frame, label='title')
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
sliderlength
sliderlength optionを利用すると、つまみの高さを設定できます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(sliderlength=70) or self.scale.configure(sliderlength=70)
4##################################
5self.scale = tk.Scale(frame, sliderlength=70)
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
resolution
resolution optionを利用すると、scale Widgetの値更新の大きさを設定できます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(resolution=10) or self.scale.configure(resolution=10)
4##################################
5# resolution : scale Widgetの値更新の大きさを設定。デフォルトは1。
6self.scale = tk.Scale(frame, resolution=10)
以下の画像のようにscale Widgetの値更新を10ずつ行います。
troughcolor
troughcolor optionを利用すると、つまみの通る背景色を設定できます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(troughcolor='red') or self.scale.configure(troughcolor='red')
4##################################
5self.scale = tk.Scale(frame, troughcolor='red')
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
tickinterval
tickinterval optionを利用すると、from_の値(デフォルトは0)から指定する値の間隔ごとに、値の目印を設定できます。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(tickinterval=20) or self.scale.configure(tickinterval=20)
4##################################
5self.scale = tk.Scale(frame, tickinterval=20)
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
orient
orient optionを利用すると、scale Widgetの表示方向を設定できます。
指定方法としては、tk.HORIZONTAL(水平方向), tk.VERTICAL(垂直方向、デフォルト)があります。
例えば下準備コードのself.scale = tk.Scale(frame)
箇所を、以下のように変更すると、
1# 別解法 ##########################
2# self.scale = tk.Scale(frame)
3# self.scale.config(orient=tk.HORIZONTAL) or self.scale.configure(orient=tk.HORIZONTAL)
4##################################
5self.scale = tk.Scale(frame, orient=tk.HORIZONTAL)
以下の画像のようにscale Widgetを描画します。
scaleで活用される関数【2種】
scaleで活用される関数として、
- get
- set
の2種類が存在します。順に見ていきましょう。
get
get関数を利用すると、現在のscale Widgetの値を取得できます。
1# 戻り値 : 現在のscale Widgetの値
2.get()
で定義されます。戻り値として現在のscale Widgetの値を取得できます。
例えば下準備コードのself.scale.pack()
の下へ、以下のコードを追加すると
1 self.scale.pack()
2+ print(self.scale.get())
以下の画像のように0を取得します。
set
set関数を利用すると、現在のscale Widgetの値を更新できます。
1# 第一引数 : 値
2.set('値')
で定義されます。戻り値はありません。
例えば下準備コードのself.scale.pack()
の下へ、以下のコードを追加すると
1 self.scale.pack()
2+ self.scale.set(80)
以下の画像のように値を80へ更新します。
ttk.Scale()を利用してみる
ttk.Scale()とは、テーマ(名前)を指定して、外観を変更するscale Widgetを意味します。
scale Widgetの拡張と考えるとよいでしょう。tkinterのversion 8.5で導入されました。
ttk.Scale()を利用するためには、tkinterからttkをimportする必要があります。
1# tkinterからttkをimportする
2from tkinter import ttk
tk.Scale()との違いとしては、
- 使用できるoptionに違いがある
- テーマ(名前)を利用して、scale widgetの外観を変更する
があります。順に見ていきましょう。
使用できるoptionに違いがある
こちらはコードの結果を確認するとわかります。
例えば以下のようなコードを作成すると、
1import tkinter as tk
2from tkinter import ttk
3
4class Application(tk.Frame):
5
6 def __init__(self, master=None):
7 # Windowの初期設定を行う。
8 super().__init__(master)
9
10 # Windowの画面サイズを設定する。
11 # geometryについて : https://kuroro.blog/python/rozH3S2CYE0a0nB3s2QL/
12 self.master.geometry("300x200")
13
14 # Windowを親要素として、frame Widget(Frame)を作成する。
15 # Frameについて : https://kuroro.blog/python/P20XOidA5nh583fYRvxf/
16 frame = tk.Frame(self.master)
17
18 # Windowを親要素とした場合に、frame Widget(Frame)をどのように配置するのか?
19 # packについて : https://kuroro.blog/python/UuvLfIBIEaw98BzBZ3FJ/
20 frame.pack()
21
22 # frame Widget(Frame)を親要素として、ttk scale Widgetを作成する。
23 ttkScale = ttk.Scale(frame)
24 print('ttk.Scale option : ')
25 print(ttkScale.keys())
26
27 # frame Widget(Frame)を親要素として、scale Widgetを作成する。
28 scale = tk.Scale(frame)
29 print('tk.Scale option : ')
30 print(scale.keys())
31
32# Tkinter初学者参考 : https://docs.python.org/ja/3/library/tkinter.html#a-simple-hello-world-program
33if __name__ == "__main__":
34 # Windowを生成する。
35 # Windowについて : https://kuroro.blog/python/116yLvTkzH2AUJj8FHLx/
36 root = tk.Tk()
37 app = Application(master=root)
38 # Windowをループさせて、継続的にWindow表示させる。
39 # mainloopについて : https://kuroro.blog/python/DmJdUb50oAhmBteRa4fi/
40 app.mainloop()
以下の画像のように、optionの種類に差分が発生します。
テーマ(名前)を利用して、scale Widgetの外観を変更
ttk.Scale()では、テーマ(名前)を指定することで、scale Widgetの外観を変更できます。
例えば以下のようなコードを作成すると、
1import tkinter as tk
2from tkinter import ttk
3
4class Application(tk.Frame):
5
6 def __init__(self, master=None):
7 # Windowの初期設定を行う。
8 super().__init__(master)
9
10 # Windowの画面サイズを設定する。
11 # geometryについて : https://kuroro.blog/python/rozH3S2CYE0a0nB3s2QL/
12 self.master.geometry("300x200")
13
14 # Windowを親要素として、frame Widget(Frame)を作成する。
15 # Frameについて : https://kuroro.blog/python/P20XOidA5nh583fYRvxf/
16 frame = tk.Frame(self.master)
17
18 # Windowを親要素とした場合に、frame Widget(Frame)をどのように配置するのか?
19 # packについて : https://kuroro.blog/python/UuvLfIBIEaw98BzBZ3FJ/
20 frame.pack()
21
22 # ttk.Scale()の外観を変更
23 style = ttk.Style()
24 # テーマ(名前)の指定を行う。
25 style.theme_use('classic')
26
27 # frame Widget(Frame)を親要素として、ttk scale Widgetを作成する。
28 ttkScale = ttk.Scale(frame)
29
30 # frame Widget(Frame)を親要素として、scale Widgetを作成する。
31 scale = tk.Scale(frame)
32
33 # frame Widget(Frame)を親要素とした場合に、ttk scale Widgetをどのように配置するのか?
34 # packについて : https://kuroro.blog/python/UuvLfIBIEaw98BzBZ3FJ/
35 ttkScale.pack()
36
37 # frame Widget(Frame)を親要素とした場合に、scale Widgetをどのように配置するのか?
38 # packについて : https://kuroro.blog/python/UuvLfIBIEaw98BzBZ3FJ/
39 scale.pack()
40
41# Tkinter初学者参考 : https://docs.python.org/ja/3/library/tkinter.html#a-simple-hello-world-program
42if __name__ == "__main__":
43 # Windowを生成する。
44 # Windowについて : https://kuroro.blog/python/116yLvTkzH2AUJj8FHLx/
45 root = tk.Tk()
46 app = Application(master=root)
47 # Windowをループさせて、継続的にWindow表示させる。
48 # mainloopについて : https://kuroro.blog/python/DmJdUb50oAhmBteRa4fi/
49 app.mainloop()
以下の画像のように、scale Widgetを描画します。
また現在利用中のテーマ(名前)を確認する場合は、
1from tkinter import ttk
2
3style = ttk.Style()
4# 現在利用中のテーマ(名前)を確認
5currentTheme = style.theme_use()
6print(currentTheme)
利用できるテーマ(名前)の一覧を確認する場合は、
1from tkinter import ttk
2
3style = ttk.Style()
4# テーマ(名前)の一覧を確認
5allTheme = style.theme_names()
6print(allTheme)
テーマ(名前)の指定を行う場合は、
1from tkinter import ttk
2
3style = ttk.Style()
4# テーマ(名前)の指定を行う。
5style.theme_use('テーマ(名前)')
をご利用ください。
まとめ
- Tkinterは、Window, Frame, Widgetで構成される。
- Tkinterで使われるscaleとは、Widgetの一種で、ファイルのダウンロード状況やタスクの進捗などを視覚化するものを意味します。
- 別名scale Widget, プログレスバーと呼ばれます。